本章では序盤で互いに作戦勝ちを目指し合う攻防を見て頂きます
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・v飛 ・|二
|v歩v歩 ・v歩v歩v歩v角 ・v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=12 ▽7四歩(73) まで
「図1」は前章「図4」と同一局面です
「図1」から「図2」までの手順
▲3六歩 ▽8二銀 ▲3七銀 ▽7三銀 ▲8八飛 ▽7二金
▲3八金 ▽6一玉 ▲5八金 ▽5二金 ▲4九玉 ▽4四歩
▲5六銀 ▽4三銀 ▲3九玉 ▽5四銀 ▲9六歩 ▽1四歩
▲1六歩 ▽9四歩 ▲8六歩 ▽7一玉
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉 ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v金 ・v金 ・ ・v飛 ・|二
| ・v歩v銀v歩v歩 ・v角 ・ ・|三
|v歩 ・v歩 ・v銀v歩v歩v歩v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 歩 歩 歩 銀 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ ・ 角 ・ 歩 歩 銀 歩 ・|七
| ・ 飛 ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ 玉 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=34 ▽7一玉(61) まで
▽2四歩で▲4八銀を誘い、▽7四歩から▽7三銀の形を実現するのが
後手側の狙いで 以下「図2」まで相居飛車を左右逆にしたような局面に
なりますが 先手側が振り飛車しか指さない相手の場合には有効な策と
なり得ます
「図3」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3三角 ▲7八銀 ▽2二飛
▲4八銀 ▽7四歩 ▲7七角 ▽8二銀 ▲3六歩 ▽7三銀
▲3七銀 ▽7二金 ▲5八金右 ▽4二銀 ▲6八玉 ▽5二金
▲7九玉
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・v金 ・v金v銀 ・v飛 ・|二
|v歩v歩v銀v歩v歩v歩v角v歩v歩|三
| ・ ・v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 角 ・ 歩 歩 銀 歩 歩|七
| ・ ・ 銀 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=19 ▲7九玉(68) まで
▽3三角に▲7八銀と上がり、▽7四歩から後手が早い時期に▽7三銀型に
組んだ場合は居飛車左美濃に変化するのが有力な手段となります
居飛車対振り飛車の対抗型には▽7三銀、▽7二金の形は良い布陣とは
言い難いのです この形は上からの攻めには強いですが「図3」の局面は
横から玉を攻める事が多い為、先手陣の方が好形なのです
ただし▽2二飛の所で▽8四歩と後手が居飛車に変化する手が有り
そうなると先手の▲7八銀は損になる事が有るのです この辺りは難しく
相振り飛車からも外れるので別の章に回します
「図4」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3三角 ▲6八銀 ▽2二飛
▲6七銀 ▽2四歩 ▲7七角 ▽4二銀 ▲8八飛 ▽2五歩
▲2八銀 ▽2六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲2七歩 ▽2四飛
▲8六歩 ▽6二玉 ▲8五歩 ▽3五歩 ▲4八玉 ▽7二玉
▲3八玉 ▽8二銀 ▲6五歩 ▽4四歩 ▲8四歩 ▽同 歩
▲同 飛 ▽8三歩 ▲8六飛
「図4」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v銀v玉 ・ ・v銀 ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩 ・v角 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・v飛 ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ 飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 ・ 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉 銀 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=33 ▲8六飛(84) まで
牽制し合えば「図4」までのように互いに金無双の対抗型も有ります
しかし後手が向かい飛車の場合は、先手は▲3七銀型を築く方が得です
後手も早目に2五歩を決めて先手の形を限定させる方が分かり易いのです