若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】15 四間飛車戦法 戦闘編[2]
投稿日: 2005/03/03(Thu) 14:50
投稿者千鳥銀

対振り飛車の急戦策として”振り飛車には角交換を狙え”と格言で言われる
仕掛けが有ります これは13章駒組み編の仮想図「図3」のような
局面を実現するのが狙いの戦型です

「図1」
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24  ▽4三銀(32)  まで

前章同様の「図1」から居飛車側が角交換を狙って▲4六歩と突いて行く
もう一つの有力急戦策を採った場合を解説します

この▲4六歩に▽5四歩のような手なら▲4五歩 ▽同歩 ▲3三角成
▽同桂 ▲2四歩 ▽同歩 ▲同飛と言う手順が狙い筋です
居飛車の成功例として「図2」に示しておきます

「図2」
後手の持駒:角 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・v銀v桂 ・v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩 
手数=33  ▲同 飛(28)  まで

この「図2」は13章駒組み編の仮想図「図3」と ほとんど同一局面です
この後▽2二歩打でも▲3一角打で2筋突破となり先手優勢です

ただし▲4五歩に▽同歩と取らずに▽6四歩と手待ちする手が有り
それはそれで難解な将棋となりますが 今回はこれとは別の手段を解説します

「図1」から「図3」までの手順

▲4六歩    ▽5四銀    ▲3七桂    ▽6五銀    ▲4五歩    ▽7六銀
▲2四歩    ▽同 歩    ▲4四歩    ▽同 角    ▲同 角    ▽同 飛
▲7七歩    ▽8七銀成  ▲同 玉    ▽8四飛    ▲8六銀    ▽6四角
▲9七角    ▽9五歩    ▲同 歩    ▽9六歩    ▲同 玉    ▽8六角
▲同 角    ▽8五銀    ▲8七玉    ▽8六銀    ▲7八玉    ▽8七銀成

「図3」
後手の持駒:角 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・ ・v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・|四
| 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・v全 歩 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩二 
手数=54  ▽8七銀成(86)  まで

▽5四銀で▲4五歩を防ぎ ▲3七桂と先手が戦力を増強して来た時に
▽6五銀と進出して行きます これを"玉頭銀(ぎょくとうぎん)”と呼び
振り飛車が時によって採用する手段です 以下予定通りに先手が角交換を
狙って行きますが ▽8七銀成から飛車を8筋に転回して「図3」まで
後手必勝の局面となりました

前章も含めて振り飛車の場合 攻めると言うより駒を効率良く交換したり
働きの良い場所に持って行くような指し方をします
これを”駒を捌く(さばく)”と言います またこの捌くと言う性格上
振り飛車の陣形は3大原則の3 攻めは飛角銀桂と言う理想形には序盤で
なりにくいですが 逆に飛車側の桂香が捌ければ優勢となる事が多いのです

以上、本格戦法の駒組みを6回にわたり解説しました 初心者の方には
少し難しかったかと思いますが これから順次見て頂く戦法も基本的には
この2戦法のように 駒組みの3大原則に従って指し進めて行く物なので
解説する一手一手が何を目指しているのかが 理解しやすくなると思い
この時点で解説いたしました ですから今の段階では、何となく分かった
と言う程度で構わないと思います 次章からまた、いろいろな戦法の
成功局面を分かりやすく御紹介して行きますので御期待ください


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