本章から、6章で序盤の形6として御紹介した相振り飛車の解説を致します
ただしこの戦型は力戦の手将棋で、まだ定跡と言える物も少ないので
闘い方の例を見て頂くと言う事になります まず序盤の進行で要注意の局面が
有るので御紹介します
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3五歩 ▲7八飛 ▽3二飛
▲7五歩 ▽3六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲3七歩 ▽6六飛
▲同 角 ▽同 角
「図1」
後手の持駒:角 歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・v角 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛
手数=14 ▽同 角(22) まで
▲6六歩に▽3五歩と言う手順が、相振り飛車では多いのですが先手側は
「図1」までの手順に気をつけなければいけません 6六の歩を十字飛車で
払われては、いきなり不利となってしまいます
「図2」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3五歩 ▲6八銀 ▽3二飛
▲6七銀 ▽6二玉 ▲7七角 ▽7二玉 ▲8八飛 ▽4二銀
▲4八玉
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・v銀v飛v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|五
| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ 玉 ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=13 ▲4八玉(59) まで
後手側が相振り飛車の意思を表明した場合、先手側は▲8八飛と向かい飛車に
振るのが現在最有力と思われる手段ですが「図2」のタイミングで▲4八玉と
上がるのは面倒な事になります これに▽3六歩と突かれる手が有るからです
「図2」から「図3」までの手順
▽3六歩 ▲同 歩 ▽5五角 ▲6五歩 ▽7七角成 ▲同 桂
▽5五角 ▲6六角 ▽同 角 ▲同 銀 ▽6七角
「図3」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v玉 ・ ・v銀v飛 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 銀 ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 桂v角 歩 歩 ・ 歩 歩|七
| ・ 飛 ・ ・ ・ 玉 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ 金 ・ 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=24 ▽6七角打 まで
▽3六歩に▲同歩と取るのは悪手で「図3」まで先手不利となります
▲同歩では▲2八銀として▽3七歩成なら▲同銀 ▽3六歩 ▲4六銀で
後手の3六の歩を負担にさせるように指せば悪くはありません しかし形と
しては気持ちの良い物では無いので「図2」の▲4八玉では▲2八銀などの
方が無難と言えます
「図4」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3五歩 ▲6八飛 ▽3二飛
▲2八銀 ▽6二金 ▲4八玉 ▽3六歩 ▲同 歩 ▽同 飛
▲3七歩 ▽3四飛 ▲3八玉 ▽7四飛 ▲7八飛 ▽8四飛
▲7七飛 ▽6六角
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀 ・v玉v金v銀v桂v香|一
| ・ ・ ・v金 ・ ・ ・ ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩v歩v歩 ・v歩v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩v角 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 飛 ・ 歩 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ ・ ・ ・ 玉 銀 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=20 ▽6六角(22) まで
「図4」までも要注意の手順で、三間飛車の場合も▽8四飛と回られて困る時が
有ります 相手が浮き飛車に構えた時は常に横に捌いて来るのを警戒しなければ
これもいきなりリードを奪われる事になります