序盤の形5の振り飛車の中で 飛車を先手なら5八 後手なら5二に
振る形を”中飛車(なかびしゃ)戦法”と呼びます
今回は1手目でいきなり飛車を振ると言う 基本の6パターンからは
外れる原始中飛車と呼ばれる 初心者向きの中飛車を見て頂くとしましょう
「図1」までの手順
▲5八飛 ▽3四歩 ▲5六歩 ▽5四歩 ▲6八銀 ▽6二銀
▲5七銀 ▽4二銀 ▲6六銀 ▽5三銀左 ▲5五歩 ▽同 歩
▲同 銀 ▽5四歩 ▲同 銀 ▽同 銀 ▲同 飛 ▽5三銀打
▲5八飛 ▽4二玉
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・v銀 ・v玉 ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩v銀v歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀 歩二
手数=20 ▽4二玉(51) まで
▲5八飛と振った後 前回の棒銀と同じく銀が飛車先に出て行き
後手も中央を守りに出た結果 銀がぶつかり合って「図1」となりました
この局面も先手の必勝となっています
「図1」から「図2」までの手順
▲5四歩 ▽4四銀 ▲5三銀 ▽同銀引 ▲同歩成 ▽同 銀
▲5四歩 ▽6二銀 ▲5三銀 ▽同 銀 ▲同歩成
「図2」
後手の持駒:銀二 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・v玉 ・v角 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 とv歩 ・v歩v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩|七
| ・ 角 ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀
手数=31 ▲同 歩成(54) まで
▲5四歩から5三に銀を打って行き 以下「図2」まで見事5筋を破って
先手の必勝となりました この例のように歩の上に駒を打ちこんで行く手筋は
俗に”重い手”と言われ 上手く行かない事も有るのですが
▲5三銀打が王手なので ▽5二歩打と受ける事がが出来ず成立しています
1手目に▲5八飛(後手なら▽5二飛)と回ったり 先に▲5六歩(5四歩)
と突いてから2手目に中飛車にすると言う手は 前回の棒銀同様に
初心者専用だったのですが 最近はプロでも指されるようになりました
無論この例のように角道も開けず 単純に銀を繰り出して行く形では無く
戦型としては全く違いますし ▲7六歩から同じ戦型に持って行く事の方が
多いのは確かですが 昔なら、ほとんど有り得なかった事です
そのプロ間で指される新型中飛車の紹介は いずれまたと言う事で
今回の原始中飛車と前回の相掛り棒銀は 将棋を覚えたばかりの初心者の頃
誰でも必ずと言って良い程 指したり逆に指された事が有る戦法です
頭の丸い(前に進めない)角を狙う棒銀 最終目標の玉を最初から狙う中飛車
どちらも理に適い尚且つ 狙いが分かり易いのが人気の戦法です