若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】44 横歩取り▽8五飛戦法[1]
投稿日: 2005/03/03(Thu) 16:47
投稿者千鳥銀

現在プロ棋戦で、タイトル戦などの大舞台でも指されるのが▽8五飛戦法と
呼ばれる横歩取りの一戦型で 中座真五段の創案で有る事から”中座飛車”
とも言われる陣形です

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽8四歩    ▲2五歩    ▽8五歩
▲7八金    ▽3二金    ▲2四歩    ▽同 歩    ▲同 飛    ▽8六歩
▲同 歩    ▽同 飛    ▲3四飛    ▽3三角    ▲3六飛    ▽2二銀
▲8七歩    ▽8五飛

「図1」
後手の持駒:歩二 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v角 ・v歩|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 飛 ・ ・|六
| 歩 歩 ・ 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩二 
手数=20  ▽8五飛(86)  まで

▲3六飛に▽2二銀と先に上がり▲8七歩と打たれた時▽8五飛と引く
この不安定な飛車引きが良い手で有るはずが無い プロでさえそう思い
実際その第一号局では相手の棋士が「引く場所を間違えたと思った」と
感想戦(対局後に検討する事)で言ったくらいでした
しかしこの奇妙な飛車引きが 後手側の勝率が六割を超えると言う
将棋史上初の記録を残す、とてつもなく優秀な戦法となるのです

「図1」から「図2」までの手順

▲2六飛    ▽4一玉    ▲3三角成  ▽同 桂  ▲9六角    ▽6五飛
▲6六歩    ▽6四飛    ▲6五歩    ▽8四飛  ▲6三角成

「図2」
後手の持駒:角 歩二 
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金 ・v玉 ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二
|v歩 ・v歩 馬v歩v歩v桂 ・v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|六
| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 銀 ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩三 
手数=31  ▲6三角成(96)  まで

▽2四飛が有るので▲2六飛、そして▽4一玉で 前章の中原流と比べて
先手の飛車が8四と8五の違いだけになりますが ここで角を交換して
▲9六角と打つ手が有ります 手順中で▲6五歩を▽同飛と取るのは
▲7七桂 ▽6四飛 ▲6五歩で桂を跳ねさせただけ損です
「図2」で王手で馬が出来て先手優勢のようですが

「図2」から「図3」までの手順

▽5二金    ▲2七馬    ▽4四角    ▲2四飛    ▽2三銀  ▲4四飛
▽同 歩    ▲8八銀    ▽4五歩    ▲5八金    ▽6二銀  ▲7七銀
▽6三銀    ▲6七金右  ▽9四歩    ▲6八玉    ▽9五歩  ▲6六銀
▽8六歩    ▲同 歩    ▽9六歩    ▲同 歩    ▽9八歩  ▲同 香
▽9九飛    ▲8八金    ▽9六香    ▲9七歩    ▽8七歩

「図3」
後手の持駒:なし
 9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・v桂 ・ ・ ・v玉 ・ ・v香|一
| ・ ・ ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v歩v銀v歩 ・v桂v銀v歩|三
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ 歩 ・v歩 ・ ・ ・|五
|v香 歩 歩 銀 ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩v歩 ・ 金 歩 歩 歩 馬 歩|七
| 香 金 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ ・|八
|v飛 桂 ・ ・ ・ ・ 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩五 
手数=60  ▽8七歩打  まで

▽5二金と受けた時に先手の馬の引く位置は幾つか有りますが
何処に逃げても▽4四角と打つ手が残ります この時に飛車香両取りに
なるようにする為に9手目の▲6五歩を取らなかったのです
▲7七桂となっていると▽4四角が無いのです
▲2四飛として、▽9九角成なら▲8四飛の狙いで両取りを防ぎますが
▽2三銀と飛車角の交換を強要して 以下後手が指しやすい形勢となります

▽2三銀では▽7七角成の王手で▽2四飛と飛車を素抜く手も有りますが
馬を右辺に引いた場合は「図3」までの手順で馬を封じ込め左翼を狙う方が
得策です もし▽5二金に▲9六馬と逃げた場合は▲2四飛の時に▽7七角成
とする方が良くなります 先手の馬を相手にしないようにするのが
ポイントです 以上間単に先手が角交換から▲9六角と打って8五の飛車を
狙う変化を解説しましたが 他に変化は有るものの、いずれもあまり
思わしい結果にはならないのです


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