前章に引き続き、角換り腰掛け銀先後同型の攻防を見て頂く事にします
「図1」
後手の持駒:歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v玉v香|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v銀v銀 歩 ・ ・|四
| ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ 桂v歩|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ 飛 ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・v馬 ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 歩
手数=65 ▲2六飛(28) まで
「図1」は前章「図3」と同一局面、▽3一馬に▲2六飛と逃げた所です
「図1」から「図2」までの手順
▽4九馬 ▲4七銀 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽4六歩 ▲2九飛
▽4七歩成 ▲4九飛 ▽5八と ▲4四飛 ▽4三金打 ▲5一角
▽4二歩 ▲3三銀 ▽3一玉 ▲3二銀成 ▽同 玉 ▲3三歩成
▽同 桂 ▲3四歩 ▽4一玉 ▲4二角成 ▽同 飛 ▲3三歩成
「図2」
後手の持駒:角 銀二 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・v香|二
| ・ ・v桂v金v歩v金 とv歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v銀 飛 ・ ・ ・|四
| ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・ 桂v歩|五
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・vと ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 桂 歩二
手数=89 ▲3三歩成(34) まで
▽4九馬と金取りに寄せる手も有り これは▲2九飛なら▽3八馬で千日手を
狙うと言う後手としては一つの有効策ですが▲4七銀が好手で、以下の手順が
示す通り馬を殺す事が出来るのです これも途中に変化は有る物の「図2」と
なった局面は先手の勝ちです
「図1」から「図3」までの手順
▽2四歩 ▲3三角 ▽同 桂 ▲同歩成 ▽同 銀 ▲同桂成
▽同 金 ▲3四歩 ▽2三金 ▲3三銀 ▽1三玉 ▲1五香
▽1四歩 ▲2四銀成 ▽同 金 ▲2五桂 ▽2二玉 ▲3三桂成
▽1三玉 ▲2五歩 ▽1五金 ▲2四歩
「図3」
後手の持駒:角 銀 桂 香 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・v香|二
| ・ ・v桂v金v歩 ・ 圭 ・v玉|三
|v歩 ・ ・v歩v銀 ・ 歩 歩v歩|四
| ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・v金|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ 飛 ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・v馬 ・ ・|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=87 ▲2四歩(25) まで
最後に▽2四歩で先手の攻めを催促する手ですが これにも▲3三角と露骨に
打ち込んで先手が有利な進行となります ▲3五飛が馬に当たるのが手順中
常について回るため 例えば▲3四歩に▽2三金の所▽同金と取ると▲3五飛
とした手が馬金両取りになるのです 以下「図3」で後手玉は必至で先手玉は
詰まず、やはりこれも先手の勝ちとなります
以上101章「図1」から全て先手の勝ちとなりました これ以外にも変化は
有りますが、先手が▲1一角と打った局面は既に先手が優勢と言う結論になり
またその他の戦型も含めて、角換り自体が先手が有望では無いかと言われ
第二期隆盛期も陰りを見せ始めたのです
この【戦法図鑑】では、出来るだけ変化の解説は避けるのが主旨ですが今回に
限っては例外で、先手が▲1一角と打った局面から有力な変化を複数見て頂き
ました それは何故かと言うと、実はここまでの手順の中に第三期隆盛期の
兆しを迎える事になりそうな、後手側の打開策のヒントが有るからです