対四間飛車▲4五歩早仕掛けの最終章として、先手が一手早く仕掛ける変化を
御紹介して締めと致します
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=24 ▽4三銀(32) まで
「図1」は▲5七銀左に後手が▽4三銀と上がった所です
「図1」から「図2」までの手順
▲4六歩 ▽5四歩 ▲4五歩 ▽6四歩 ▲3七桂 ▽6三金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲4五歩 ▽同 銀
▲同 桂 ▽同 飛 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲2四飛 ▽6五桂
▲4七歩 ▽5七桂成 ▲同 銀
「図2」
後手の持駒:角 銀 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ ・v桂 ・v歩|三
|v歩 ・ ・v歩v歩 ・v歩 飛 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v飛 ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 銀 桂
手数=45 ▲同 銀(48) まで
「図1」ですぐに▲4六歩として一手早く仕掛けるのは有力で▲6八金直(上)と
してから仕掛けた時の後手の対応策が通用しなくなるのは、ここまでも解説しました
▲4五歩 ▽同銀 ▲同桂に単に▽同飛と取り、▲3三角成 ▽同桂に▲2四飛まで
互いに最善の応酬をした後、▽6五桂に▲4七歩打が好手で後手の反撃を完封して
以下「図2」は先手優勢の局面です
「図1」から「図3」までの手順
▲4六歩 ▽5四歩 ▲4五歩 ▽6四歩 ▲3七桂 ▽6三金
▲2四歩 ▽同 角 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲4三歩 ▽同 飛
▲2四飛 ▽同 歩 ▲3二角 ▽4二飛 ▲2一角成 ▽4一飛打
▲3三桂 ▽5一飛 ▲9五歩 ▽同 歩 ▲同 香 ▽同 香
▲4三歩 ▽5二飛寄 ▲4四角
「図3」
後手の持駒:香 歩四
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・v桂 ・v金v飛 ・ ・ 馬v香|一
| ・v玉v銀 ・v飛 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v金 ・ 歩 桂 ・v歩|三
| ・ ・ ・v歩v歩 角v歩v歩 ・|四
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:銀
手数=51 ▲4四角(88) まで
前章「図4」までの手順で御紹介した▲2四歩に後手が▽同角と取る手に対しての
先手の手段が▲4三歩 ▽同飛としてから▲2四飛と角を取り▲3二角と飛車取りに
打つと言う物です この策は前章「図3」から「図4」までの手順中でも可能なのですが
この場合は▽5一飛に▲9五歩と端歩を突いた時、手抜きして▽5五歩と決戦する手が成立して
しまうのです しかしこの「図4」までの手順中で▲9五歩に▽5五歩とするのは
▲9四歩と取り込まれ後手玉が狭く、先手を持ちたい形勢と言えます ▽7四歩の一手が
入っているか、いないかが明暗を分ける事になるのです
「図1」から「図4」までの手順
▲1六歩 ▽1四歩 ▲4六歩 ▽5四銀 ▲5五歩 ▽6五銀
▲3五歩 ▽同 歩 ▲3八飛 ▽7六銀 ▲3五飛 ▽6五銀
▲3四歩 ▽2二角 ▲1五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽4三飛
▲5四歩 ▽同 銀 ▲3三歩成 ▽同 飛 ▲同飛成 ▽同 角
▲2三歩成 ▽5一角 ▲2八飛
「図4」
後手の持駒:飛 歩五
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v角 ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・ と ・|三
|v歩 ・ ・ ・v銀v歩 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩|五
| 歩 ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=51 ▲2八飛打 まで
「図1」で▲4六歩とした場合に▽5四銀と出る玉頭銀の手段が有る事は15章で御紹介しました
ただ15章の手順は理想的な成功例で、流石にあれほど簡単に決まる事は無いと思いますが
先手側にとって厄介な手段で有る事は間違いありません そこで一例ですが玉頭銀を撃破する
作戦として▲1六歩 ▽1四歩と端歩の交換をしてから▲4六歩とする手が有ります
以下「図4」の▲2八飛が後手の飛打ちを消しつつ▲3二とで飛車を成り込む絶妙手で先手優勢
となります この手で▲2二飛などと打つと▽2八飛と打たれて難しくなります
手順中▲2四歩に▽4三飛の所で、▽同歩と取ると▲1五香から▲2三歩打が有ります
これが1筋の端歩を突き合った狙いだったのです これを「図3」までの手順のように
▲9五歩と9筋で歩を手に入れるのは玉頭銀が迫って来ている状況では危険です
もちろん▲1六歩に手抜きで▽5四歩と突くなどの変化が有って難しいのは確かですが
是非覚えて頂きたい変化です
以上で対四間飛車で角交換を狙う急戦策の御紹介を終わりとします 次章からは三間飛車に
対する▲4五歩早仕掛け急戦を見て頂く事にしたいと思います