後手が序盤早々、一手損して駒組みを進めると言う一見奇策と見える
新手段の狙いを本章では見て頂きます
「図1」までの手順
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8八角成
▲同 銀 ▽2二銀 ▲7七銀 ▽3二金 ▲7八金 ▽3三銀
「図1」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v銀v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v銀v歩v歩|三
| ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ 玉 金 銀 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=12 ▽3三銀(22) まで
「図1」は(角換りパターン3)ですが、ここまでの手順は85章「図3」
までとは違うルートになっています この一手損戦術を後手が志向する場合
2手目に▽3四歩とする事も多いので一例として示しました
「図1」から「図2」までの手順
▲3八銀 ▽7二銀 ▲9六歩 ▽9四歩 ▲1六歩 ▽1四歩
▲4六歩 ▽6四歩 ▲4七銀 ▽6三銀 ▲5八金 ▽5二金
▲6八玉 ▽4二玉 ▲7九玉 ▽5四銀 ▲5六銀 ▽3一玉
▲3六歩 ▽4四歩 ▲6六歩 ▽7四歩 ▲3七桂 ▽7三桂
「図2」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・v桂 ・v歩 ・v銀v歩 ・|三
|v歩v歩v歩v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=36 ▽7三桂(81) まで
「図2」は角換り腰掛け銀先後同型と似た局面ですが、後手側の飛車先が
一つで止まっている所が違います しかしこの局面こそ後手の狙いなのです
「図2」から「図3」までの手順
▲4五歩 ▽同 歩 ▲3五歩 ▽4四銀 ▲1五歩 ▽同 歩
▲7五歩 ▽同 歩 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩
▲2九飛 ▽3八角 ▲2八飛 ▽4九角成 ▲7四歩 ▽8五桂
「図3」
後手の持駒:歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・v金 ・v金 ・ ・|二
| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・|三
|v歩v歩 歩v歩v銀v銀v歩 ・ ・|四
| ・v桂v歩 ・ ・v歩 歩 ・v歩|五
| 歩 ・ ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 銀 ・ 歩 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 玉 ・ ・v馬 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=54 ▽8五桂(73) まで
先手が従来の腰掛け銀先後同型に対するのと同じく▲4五歩から仕掛けますが
▲7五歩突き捨てから▲7四歩に▽8五桂と跳ねる事が出来る為▽6三金など
桂頭の防御が必要無くなるのです 一手早く角を打ち込み▽8五桂となった
「図3」では後手有利な形勢です
「図1」から「図4」までの手順
▲3八銀 ▽7二銀 ▲6八玉 ▽6四歩 ▲2七銀 ▽6三銀
▲2六銀 ▽1四歩 ▲1六歩
「図4」
後手の持駒:角
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一
| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・|二
|v歩 ・v歩v銀v歩v歩v銀v歩 ・|三
| ・v歩 ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 銀 歩|六
| 歩 歩 銀 歩 歩 歩 歩 ・ ・|七
| ・ ・ 金 玉 ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角
手数=21 ▲1六歩(17) まで
先手の対抗策の一つとして、後手の手が更に一手遅れているのを咎めると言う
意味で▲6八玉とする手が有力となります 普通は後手側の棒銀を警戒し
この手は保留して後に回すのですが 速攻性の棒銀には手が遅れているので
しづらいだろうと言う事なのです こうして▽6四歩を見て逆に▲2七銀から
棒銀にするのが狙いです 対して後手も右玉にすると言うような手も有り
角換りジャンケンは果てしなく続くのです