本章では四間飛車側の対棒銀理想形を回避する手順から、主流となる戦型の解説に入ります
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・v香|二
| ・v歩v歩v歩 ・v銀v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 銀 ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=31 ▲4六歩(47) まで
「図1」は前章「図4」と同一局面、後手の理想形を回避すべく▲4六歩と突いた所です
何故この▲4六歩と先に突いた手が後手の最善型を阻止する事になるのか
この局面から▽6四歩と突かず、あくまで前章「図1」の理想形を目指すなら▽3二飛と
回って棒銀に備えるしか無いのですが
「図1」から「図2」までの手順
▽3二飛 ▲4五歩 ▽4二飛 ▲4八銀右 ▽6四歩 ▲3七桂
▽6三金
「図2」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・v香|二
| ・v歩v歩v金 ・v銀v角v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=38 ▽6三金(52) まで
「図1」で▽3二飛と後手が棒銀に備えて3筋に飛車を回った瞬間に▲4五歩と突く手が有るのです
以下「図2」となり、ここで▲2四歩と仕掛けるのが155章〜158章で御紹介した
▽4五歩早仕掛けですが、▽7四歩が▽1二香に変わっています この▽1二香は早仕掛けの変化では
後手側にマイナスとなる事が多いのは156章「図2」までの局面の解説でも触れましたが
少なくとも▽7四歩よりは価値が低い手と言え、対棒銀において▽6四歩と突いているより損な手となります
以上のような訳で「図1」では▽6四歩と突く事になり、後手の対棒銀最善型を回避できるのです
「図1」から「図3」までの手順
▽6四歩 ▲2六銀 ▽3二飛 ▲3五歩 ▽5一角 ▲3八飛
▽6二角 ▲3四歩 ▽同 銀 ▲4五歩
「図3」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀v角v金 ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩v歩v銀 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 銀 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=41 ▲4五歩(46) まで
「図3」は164章「図2」と比べて1筋の突き合いが違うだけの局面です しかし先手が
▲3五歩と開戦するまでの手順は現在最善とされていて、この端歩が突かれているのが
普通になります また▲3五歩の所で先に▲3八飛と回っても同じように思えますが
現在ではそれも手順前後で先手が不利となる変化が有るのです この手順に対する解説は
後の章で要点を解説したいと思います
「図3」から「図4」までの手順
▽4三金 ▲4四歩 ▽同 金 ▲4五歩 ▽4三金 ▲3七銀
「図4」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀v角 ・ ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩 ・ ・v金 ・v歩 ・|三
|v歩 ・ ・v歩v歩 ・v銀 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ 歩|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ 銀 ・ ・|七
| ・ 角 玉 金 金 ・ 飛 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=47 ▲3七銀(26) まで
端歩の突き合いで別の変化が生じる事も有りますが、ここで▽5五歩と突き捨てるのは
やはり164章「図2」から「図3」までと同じ変化になり、後手の不利となります
「図3」では▽4三金と上がるのが最善となるのです 以下▲4五歩に▽4三金と引いた手に
▲3七銀と銀取りを避けて「図4」となりますが、▲3七銀で▲1一角成と角が成るのは▽2六角と
銀を取られ、駒損で先手が不利です 以下は次章で