本章では相総矢倉基本図から先手が攻めると、実際はどうなるのか
それを見て頂く事にします
「図1」
後手の持駒:なし
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v飛 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v桂 ・v銀v金v銀v歩 ・|三
|v歩v角v歩 ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・v歩 ・ 歩 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 角 歩|六
| ・ 歩 銀 金 銀 ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=54 ▽6一飛(81) まで
「図1」は前章「図4」と同一局面、相総矢倉先後同型の基本図です
「図1」から「図2」までの手順
▲4四歩 ▽同銀右 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲2五歩 ▽同 歩
▲同 桂 ▽2四銀 ▲4四角 ▽同 金 ▲同 飛
「図2」
後手の持駒:角 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v飛 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・|三
|v歩v角v歩 ・v歩 飛v歩v銀v歩|四
| ・v歩 ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:金 銀 歩
手数=65 ▲同 飛(49) まで
▲4四歩と取り込んだ手に▽同銀右と取るのは悪手で、以下▲2四歩から
▲2五歩と継ぎ歩の手筋が有り「図2」まで先手勝勢となります
▲2四歩を▽同銀と取れば▲4四角が有るので▽同歩と取りますが▲2五歩
として以下4筋で二枚換えとなり結果は同じ事になります
「図1」から「図3」までの手順
▲4四歩 ▽同銀左 ▲4五桂 ▽4二銀 ▲4四角 ▽同 金
▲5三銀 ▽4三銀 ▲4四銀成 ▽同 銀 ▲5二金
「図3」
後手の持駒:角 銀 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v飛 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ 金 ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩v角v歩 ・v歩v銀v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・v歩 ・ 桂 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 銀 金 銀 ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 金 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=65 ▲5二金打 まで
▲4四歩には▽同銀左と取るのが正着です ここで緩む事は出来ないので
角を切って強攻に出ますが総矢倉は流石に固く一気に攻め切るのは無理です
飛車の位置が6二ならば▲5三銀と打った手が飛車取りとなり、攻めが成立
します それで互いに飛車を引いてから6筋(4筋)に回ったのです
「図3」の▲5二金は飛車が逃げれば▲5三桂成とするのが狙いですが
勿論ここで手番を手にした後手は反撃に出ます
「図3」から「図4」までの手順
▽5八角 ▲4八飛 ▽6七角成 ▲同 金 ▽6六歩 ▲同銀左
▽6五歩 ▲7七銀 ▽6六銀 ▲同銀左 ▽同 歩 ▲同 銀
▽同 飛 ▲同 金 ▽同 角 ▲7七角 ▽同角成 ▲同 桂
▽6六角
「図4」
後手の持駒:金二 銀二 歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・ ・ ・ ・ 金 ・v金v玉 ・|二
| ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・v歩 ・|三
|v歩 ・v歩 ・v歩v銀v歩 ・v歩|四
| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩v角 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| ・ 歩 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 角 銀 歩三
手数=84 ▽6六角打 まで
▽5八角から後手の反撃が始まりますが、駒を渡しているので「図1」から
先手が攻めた時より更に攻撃力が強く、一気に攻めが決まってしまいました
▽5八角で▽5八銀ですと▲6一金と飛車を取られ▽4九銀不成と飛車を
取るしか無くなり 後の銀の働きが悪く思わしく有りません 以下「図4」
までは途中多少の変化は有るでしょうが、先手が良くなる順は無いのです
▲5二金では▲8三金と角取りに打つ手も有りますが やはり▽6六歩と
され結果は変わりません 「図1」から▲4四歩と取り込むのは一番に
考えられる手ですが結果は先手不利となり成立しないのです