前章に引き続き▲4六銀戦法(左銀型)の変化を解説します
「図1」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v歩v銀 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 銀 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 金 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=32 ▽同 銀(43) まで
「図1」は前章「図2」と同一局面、▲3四歩に▽同銀と取った所です
「図1」から「図2」までの手順
▲2四歩 ▽同 歩 ▲3八飛 ▽3六歩 ▲同 飛 ▽4五歩
▲3三角成 ▽同 飛 ▲5七銀引 ▽3五歩 ▲3九飛 ▽3二飛
▲3三歩 ▽同 桂 ▲2一角 ▽2二飛 ▲5四角成 ▽2八角
▲2三歩 ▽4二飛 ▲2一馬 ▽2三銀
「図2」
後手の持駒:歩二
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・ 馬 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・v香|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・v桂v銀v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 銀 ・v角 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ 飛 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩
手数=54 ▽2三銀(34) まで
前章「図4」までと同一進行で進みますが角交換した後▲5七銀引と自重するのが
居飛車側の有力手段です しかしこの形では「図2」まで後手優勢となります
次章で解説しますが▽1二香と上がっているのが隙を無くしているからです
「図1」から「図3」までの手順
▲3五歩 △4三銀 ▲3七銀引 △3四歩 ▲3六銀 △4二角
▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲3五歩 △同 銀
▲同 銀 △同 飛 ▲4四角 △3四飛 ▲2二角成 △3九銀
▲1二馬 △3五飛 ▲3八香 △2八銀成 ▲3五香 △3八成銀
▲5七銀 △6四角
「図3」
後手の持駒:飛 歩三
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金 ・ ・ ・ 馬|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・ ・v歩|三
|v歩 ・ ・v角v歩 ・ ・v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香 ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 ・v全 ・ ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 銀 歩
手数=58 ▽6四角(42) まで
▲4六銀戦法には▲3八飛と速攻する他に▲3五歩 ▽4三銀と一旦押えて位を取り
以下▲3六銀から▲4六歩と突いて行く準急戦手段が有るのです
更に▲5七銀左型には▽4三銀と引かせた後▲3七銀引と▲3七銀上の二つの位確保の
方法が有ります 後手も位を取らせて指す手も有り、またそれも難解な将棋なのですが
この場合は▽3四歩と反発して▲3六銀に▽4二角と迎撃する手段で、やはり▽1二香形が
▲4四角と出た時に直接香取りにならないので後手が指し易い形勢となるのです
「図1」から「図4」までの手順
▲3五歩 △4三銀 ▲3七銀上 △3八歩 ▲同 飛 △4五歩
▲3三角成 △同 飛 ▲5七銀 △3五飛 ▲3六銀 △3二飛
▲3五歩 △6四角 ▲2八角 △同角成 ▲同 飛 △6四角
▲3七角 △4二角
「図4」
後手の持駒:歩
9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂 ・|一
| ・v玉v銀 ・v金v角v飛 ・v香|二
| ・v歩v歩v歩 ・v銀 ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩 歩 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 銀 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 角 ・ 歩|七
| ・ ・ 玉 金 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=52 ▽4二角(64) まで
▽4三銀に▲3七銀上と上がるのが一手余計に掛かりますが、▽3四歩からの
反発を封じながら3五の位を確保出来る、もう一つの手段です
以前はこれで前述した難解な将棋となるしか無かったのですが▲3七銀上に▽3八歩と
垂らす手が発見され「図4」以下▲2六角 ▽6四角 ▲3七角 ▽4二角の
繰り返しで千日手となると言うのが現在の結論です