▽4一金型四間飛車[3]


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 引き続き本章も▽4一金保留型四間飛車の解説です。

「図1」


 「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲5七銀左とした所です。

「図1」から「図2」までの手順

▽5四歩  ▲4六歩  ▽3二金 ▲6八金上
▽6四歩  ▲3七銀  ▽7四歩 ▲2六銀
▽6三銀  ▲3五歩  ▽7二飛 ▲3四歩
▽同 銀  ▲3八飛  ▽4三銀 ▲6六銀
▽6五歩  ▲7七銀  ▽7五歩 ▲同 歩
▽6四銀  ▲3五銀  ▽7五銀 ▲9七角
▽7六歩  ▲8八銀  ▽9五歩 ▲3四銀
▽同 銀  ▲同 飛  ▽9六歩 ▲7五角
▽同 飛  ▲3三飛成 ▽同 桂 ▲6四角
▽7三飛打 ▲7五角  ▽同 飛 ▲6四銀

「図2」


 ▲4五歩で角交換を狙う早仕掛けに対しても、▽4一金保留型は▲4六歩の瞬間に ▽3二金と上がり完全に封じる事がが出来るのです。 これには▲6八金直(上)と締めて後手に一手指させての棒銀が有力策の1つです 一手待つ理由は163章170章を参照して下さい。
この形での棒銀に対して▽6三銀から▽7ニ飛と敵玉頭を狙う袖飛車(そでびしゃ)が 大山十五世名人の全盛時代から有る手段ですが、玉形が薄く現在では勝ち難い戦型と されています。▽6四銀からの玉頭攻撃はは変化の一例で迫力が有りますが、 以下「図2」では駒がバラバラで纏め難く後手不利な局面と言えます。

「図1」から「図3」までの手順

▽5四歩 ▲4六歩 ▽3二金 ▲6八金上
▽4一飛 ▲3七銀 ▽5一飛 ▲3八飛
▽4二金 ▲3五歩 ▽同 歩 ▲2六銀
▽4五歩 ▲3五銀 ▽8八角成 ▲同 玉
▽5五歩 ▲同 歩 ▽2七角 ▲3七飛
▽4九角成

「図3」




 先手の▲6八金直(上)に▽6四歩と突かず、▽4一飛と待機して▲3七銀を見てから▽5一飛と 中飛車に振る手段が有ります。これに先手が▲3八飛から▲3五歩と突き捨てて▲2六銀と言う 手順で棒銀に出ますが、これは中飛車側に63章で御紹介した▽4五歩からの大捌きが有るので それを避けた工夫です。しかしそれでも▽4ニ金と先手の飛車筋から金を外して▽4五歩と捌き 以下「図3」まで後手優勢の局面となります。手順中▲3五銀のところ▲3三角成とすると後に ▽2五桂と飛ばれる筋が生じて更に先手不利となります。

「図1」から「図4」までの手順

▽5四歩 ▲4六歩 ▽3二金 ▲6八金上
▽4一飛 ▲3八飛 ▽4五歩 ▲同 歩
▽8八角成 ▲同 玉 ▽3三桂 ▲4七銀

「図4」


 「図3」までの▽4一飛待機策には、じっと▲3八飛としておく手も有ります。これに対して ▽4五歩と捌きに出るのは、先手の金銀4枚の守備力が強く無理筋となります。「図4」で 「図3」までと同様に▽2七角と打つのは▲2八飛 ▽4一角成に▲4八銀とされて次に▲5一金と 馬を殺される手が受からず後手不利となります。また▽4五桂とする手も▲4八銀と、かわされて 次に▲4六歩と桂を殺される手が受かりません。

この▽5四歩に▲4六歩の変化は力戦型の将棋になる事が多く、互いに工夫が必要になって来ますし かなり難解な将棋になる戦型と言えます。また後手が中飛車に移行する事も多い形ですが四間飛車の 解説からは外れるので此処までとします。次章では「図1」から▽5四歩以外の手に先手が▲4五歩 早仕掛けを狙った場合の変化を解説致します。



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