先手の攻める中飛車[1]


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 58章59章で御紹介した 先手の攻勢向かい飛車の手順中で、後手の応手によっては中飛車に変化する場合が有る事に触れましたが、本章からその戦型について解説をする事にします。

「図1」までの手順

▲7六歩 ▽8四歩 ▲5六歩 ▽5四歩 ▲5八飛

「図1」


 先手の▲5六歩に後手が▽8五歩と突かず先に▽5四歩と5筋を受けた場合は、 ▲5八飛と回り中飛車にするのが有効な手段です。 ここで▽3四歩と角道を開けると角交換から▲5三角と打ち先手だけ馬が作れます。 向かい飛車の時と違い▽5三角打が無いのです。それではここで▽8五歩はどうかと言う事になります。 ▲7七角なら向かい飛車を封じて先手の作戦範囲を狭められ、後手の得になるのですが。

「図1」から「図2」までの手順

▽8五歩 ▲5五歩 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛
▲5四歩 ▽5二歩 ▲7八金 ▽6二銀 ▲5六飛
「図2」


 ▽8五歩には構わず▲5五歩と行く手が有るのです。 これを▽同歩だと▲同角と取られ、そこで▽8六歩としても▲同歩 ▽同飛に▲7七角で開き王手飛車取りで先手の勝ちとなります。 「図3」そこで▽8六歩と強行手段に出ますが、玉頭にと金を作られる訳には行かないので▽5二歩と受け、 更に▲7八金 ▽6二銀と互いに飛車の成り込みを防ぎ▲5六飛とした「図2」では5筋を詰めて歩得のうえ、後手は歩切れとなり先手優勢の局面です。
「図3」












「図1」から「図4」までの手順

▽6二銀 ▲5五歩 ▽同 歩 ▲同 角 ▽4二玉
▲7七角 ▽3四歩 ▲5五歩
「図4」


 ▽8五歩は得にはならないので▽6二銀と中央を厚くして、次に▽3四歩と角道を開ける手を見せます。 そこで▲5五歩と突きますが▽同歩に対して▲同角と▲同飛が有ります。 まず▲同角と取る手から見てみましょう。これに後手が▽8五歩などとすると▲3三角成の両王手で、いきなり詰んで負けとなります。 そこで▽4二玉とかわして両王手を防いだ時に▲7七角と引きますが、この局面は単に▲7七角とした場合より先手の一手得となります。 ▽3四歩に▲5五歩で「図4」となり形勢はまだ互角ですが、この▲5五歩型の中飛車は有力な戦法です。 これについては後の章でまた解説する事にします。
 ▽5五同歩に▲同飛と取る変化は次章で


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