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タイトル展開を終えた後の指し方
記事No46
投稿日: 2009/04/21(Tue) 16:46
投稿者こたつ
はじめまして。
チェスは初心者ではありませんが、なかなか上達しません。

ある程度戦術も覚えて、序盤の駒の展開やセンターの支配なんかも
意識してできるようになったのですが、
相手も落ち度なく進み、お互い駒の展開もやり終え、キャスリングも
済ましたような状況で、次にどう指せばよいのかサッパリ分からないんです。
そんなときに指した手は大抵致命傷になります。

展開を終え、相手の配置に弱点が見当たらないときに、どんな目標を立てて
指し進めばよいでしょうか?
漠然とした質問で恐縮ですが、よろしくお願いします。

タイトルRe: 展開を終えた後の指し方
記事No47
投稿日: 2009/04/23(Thu) 00:24
投稿者青木 康祐
 こたつさん、はじめまして。
 この掲示板の管理人をしております、青木です。

 ご質問の文章を拝読いたしますと、初心者の域を出られ、その上へステップする段階で壁に当たられて
いるようですね。
 序盤では、駒の展開やセンター支配をして下さい、と初心者にはよく指導をしているのですが、
中級者以上では、やはりそれだけでは足りないようです。

 実は、序盤の駒の展開やセンター支配は、その段階で中盤以降の戦いを意識して行われるものなのです。
 例えば、1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 と進んだ白番を想定してみます。次の白の手では色々あるのですが、
ここでは、3.Bc4 と 3.Bb5 を比較してみます。
 この2手は、展開という意味では同じことをしています。しかし、その後の狙いが異なります。3.Bc4 は
黒陣のf7の地点に圧力をかけ、機会があれば、Ng5などと圧力を加えることを一つの目的にしています。
一方、3.Bb5 はBxc6と黒ナイトと取って、e5の黒ポーンに圧力を加えてセンターを支配することを一つの
狙いとしています。

 要するに、まず、大きな目標(センター支配もその一つです)があり、そのためにふさわしい位置に駒を
展開する、という順序で序盤を組み立てるのが考え方の道筋なのです。そうすれば、展開が終わった段階で
目標を見失うことは無いと思います。(ただし、序盤の折衝で良い目標が見えなくなることがあるのです
が、、、)

 漠然とした回答になり、回答になっているかどうか分かりませんが、駒を展開する時になぜその駒を
その位置に展開するのか、ということを念頭に入れられてプレーしていただければ、中盤で目標を見失う
ことが少なくなると思います。
 少しでも参考にしていただければ、幸いです。

***** 青木 康祐 (Aoki,Yasuhiro) *****

タイトルRe^2: 展開を終えた後の指し方
記事No48
投稿日: 2009/04/23(Thu) 03:42
投稿者こたつ
ありがとうございます。霧が晴れたような思いです!
駒の展開やセンター支配だけが目標になっていたのが問題なんですね。

>実は、序盤の駒の展開やセンター支配は、その段階で中盤以降の戦いを意識して行われるものなのです。

この言葉を肝に銘じておきます。

実は定跡を殆ど知らなくて、唯一知っているのがジオッコピアノだったんです。
この定跡は狙いが分かりやすくて、序盤が終わって立ち往生というのは余りなかったんです。
最近いろんなオープニングを指し始めて、自分のチェスの幅が広がったような感じがして
チェス熱が更にアツくなっていたんですが、途中で目標を見失うことに空虚感を感じていました。

どう指すにしろ、そのオープニングが持つ「狙い」を意識して、
>なぜその駒をその位置に展開するのか、

を考えながらやってみます。
とても丁寧なご回答ありがとうございました。

タイトルRe^3: 展開を終えた後の指し方
記事No55
投稿日: 2010/02/24(Wed) 13:04
投稿者Oh!坂人
局面を評価する方法を勉強しましょう。	
必要な事は要素を知ることです。	
要素には、静的なものと、動的なものがあります。	
前者は、駒得だったり、ポーンの形(ダブルポーン等)や、ピースの差(2B vs 2N 等)、スペース等、直ぐには変化しないものです。	
後者は、展開の差や、キングの安全性だったり、1手指すだけで得たり失ったりするものです。	
実際には30種類くらいの項目に分けられますが、始めは邦書に載っているようなものだけで結構でしょう。	

で、指し手を決める際に	

白は: 駒損(ポーン)、ダブルポーン、そのおかげでルックやビショップが使いやすい、展開良し、・・・等々書き並べます。	

で、次に	Bb5(ピンする) Rb1(オープンファイルに展開する) 0-0(キングを安全にする) Ng5(f7を攻める、フォークを狙う)・・・と
手の候補(候補手)をあげ、意味付けしていきます。	
攻めている立場であれば、狙いや、狙っている駒も書くと尚良いでしょう。	
敵の弱点:b7 のポーンが取れそう(駒得) d5の地点が手薄(ピースを展開できる)・・・等々。	

攻められている側なら、b7のポーンが取られる(駒損)、換わりにb-ファイルが開くので反撃ができる。
とか、b7のポーンは守れる。その分窮屈になる。などなど。

こういったメモをどんどん取っていって、負けたときに見直します。
「あぁ、駒損しそうになったときに、いつも窮屈になって負けてる。そもそももっとスペースがあれば。」
とか、「展開を早くする手を選ばない事が多いな、次は選んでみるか。」など。

そのうち「2ポーン損してるけど、展開も良いし、大事な拠点も支配できてる、キングの安全性でも勝ってる、指しやすいな!」
等々、静的な要素と、動的な要素の釣り合い地点が分かるようになってきます。
そうなれば、後は自分の指しやすい局面も自ずと導けるようになるかと思います。

たくさんの要素を知って、それぞれの価値がいかほどか評価する。
この能力を伸ばし、自分の指しやすい局面を知る事で、何を目指せばいいのか、というゴールが見えてくるかと思いますよ!