若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】187 対四間飛車左美濃[1]
投稿日: 2008/07/06(Sun) 23:51
投稿者千鳥銀

本章から四間飛車に対して居飛車側が、互角以上の玉形を築き上げて捌き合いを
目指す左美濃戦法の攻防を見て頂きます。この左美濃は後に解説する居飛車穴熊と、
序盤の手順において、大きく関わって来る戦型でもあります。

「図1」までの手順

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2六歩    ▽4四歩    ▲4八銀    ▽4二飛
▲6八玉    ▽9四歩    ▲9六歩    ▽7二銀    ▲7八玉    ▽6二玉
▲5六歩    ▽3二銀    ▲5八金右  ▽7一玉    ▲5七銀

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂v玉v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v銀 ・ ・v飛v銀v角 ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=17  ▲5七銀  まで

▲5七銀と右銀を上がる形は、持久戦を意図している場合が多いのですが、途中
後手からの▽9四歩と端を突いて打診した手に、先手が▲9六歩と受けた事で
穴熊の可能性は低くなったと言えます。

「図1」から「図2」までの手順

▽8二玉    ▲8六歩    ▽4三銀    ▲8七玉    ▽5二金左  ▲7八銀
▽6四歩    ▲2五歩    ▽3三角    ▲6六銀

「図2」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩 ・v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 銀 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 玉 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ 歩|七
| ・ 角 銀 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=27  ▲6六銀  まで

▲8六歩と角頭の歩を突き、▲8七玉と上がって美濃囲いに囲う形が天守閣美濃と
別名で呼ばれている左美濃の基本形です。他に▲7七角と上がり▲8八玉形で囲う形も
有りますが、相手の角の利きに入ってしまうので、今は居飛車穴熊に囲う途中で
穴熊に出来なかった時に指される事が多く、初めからその形の左美濃を目指す事は
少なくなっています。双方共に美濃囲いの堅陣を築き▲6六銀と、先手が更に堅固な
4枚美濃を目指して「図2」となります

「図2」から「図3」までの手順

▽6三金    ▲7九角    ▽2二飛    ▲7七銀引  ▽7四歩    ▲6六歩
▽7三桂    ▲6七金    ▽5四歩    ▲9八玉    ▽8四歩    ▲8七銀
▽8三銀    ▲7八金    ▽7二金    ▲3六歩    ▽4五歩    ▲1六歩
▽4四銀    ▲3七桂    ▽1四歩    ▲4六歩    ▽同 歩    ▲同 角    

「図3」

後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v金 ・ ・ ・ ・v飛 ・|二
| ・v銀v桂v金 ・ ・v角v歩 ・|三
|v歩v歩v歩v歩v歩v銀v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 歩 歩 角 歩 ・ 歩|六
| ・ 銀 銀 金 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:歩 
手数=51  ▲4六同角  まで

▽6三金から自然に陣形を進展させて行くのは、振り飛車としては普通の進行と
言えますが、左美濃に対しては対位取り同様、疑問の作戦となってしまいます。
▲7九角で▽2ニ飛を強要し、以下「図3」までは一例ですが、先手優勢の局面と
なっています。4枚美濃から▲9八玉と端に玉を囲う形は、米長永世棋聖が好んで
指した事から米長玉とも呼ばれている陣形です。振り飛車側の角筋から玉を避けて、
固さでも遥かに上回る囲いで、従来の振り飛車のように強く捌く事が出来るのです。

「図2」から「図4」までの手順

▽5四銀    ▲7七銀引  ▽6五歩    ▲7九角    ▽4五歩    ▲3六歩
▽6三銀引  ▲6六歩    ▽同 歩    ▲5七金    ▽7四歩    ▲6六金
▽7三桂    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲3四歩

「図4」

後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香 ・ ・v金 ・ ・ ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・v金v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v桂v銀v歩 ・v角v歩v歩|三
|v歩 ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・v歩v歩 歩 ・|五
| 歩 歩 歩 金 歩 ・ ・ ・ ・|六
| ・ 玉 銀 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ ・ 銀 ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八
| 香 桂 角 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=43  ▲3四歩  まで

「図2」で▽5四銀から▽6五歩と突くのは、4枚美濃の理想形を簡単に許さないようにすると
言う意味で、▲7九角にも▽2ニ飛と受けなくても良いので、有力な手段と言えますが、先手陣が
▲8七玉型で角筋を避けて囲っている為、これ以上すぐに攻める手は有りません。そこで▽6三銀と
引いて固めます。この形は4枚の金銀がダイヤ型になるので、ダイヤモンド美濃と呼ばれる極めて
堅固な囲いですが、▲6六歩から歩交換で一歩手に入れ、以下「図4」まで先手が優勢となります。
固いだけでは無く何か反撃する手段が無いと居飛車の方が、元々攻めに出易い形なので、玉形で
勝る事が出来ない左美濃に対しては特に拙いのです。次章では居飛車側が積極的に攻めに出る形を
御紹介します。


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