若 葉 亭
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タイトル 【戦法図鑑】172 ▽4一金型四間飛車[2]
投稿日: 2008/05/28(Wed) 14:55
投稿者千鳥銀

前章に引き続き▽4一金保留型四間飛車の解説をします

「図1」

後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・v飛 ・ ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩v歩v銀v角v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 ・ 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:なし
手数=23  ▲5七銀(68)  まで

「図1」は前章「図1」と同一局面、先手が▲5七銀左とした所です

「図1」から「図2」までの手順

▽5四歩    ▲3五歩    ▽同 歩    ▲4六銀    ▽3四銀    ▲3八飛
▽4五歩    ▲3三角成  ▽同 桂    ▲3五銀    ▽同 銀    ▲同 飛
▽4四角    ▲3九飛    ▽9九角成  ▲8八銀    ▽9八馬    ▲3三飛成
▽3二飛    ▲4四龍    ▽4二香    ▲3三歩    ▽4四香    ▲3二歩成
▽4六歩    ▲同 歩    ▽3二金    ▲4一飛    ▽4九飛    ▲5九銀
▽2九飛成

「図2」

後手の持駒:銀 桂 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ 飛 ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩v香 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
|v馬 銀 玉 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ 金 銀 ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 桂 歩 
手数=54  ▽2九飛成(49)  まで

▽5四歩に▲3八飛と飛車で角頭を狙う鷺宮定跡は、▽4一金保留▽4三銀型では
▽3ニ飛と対抗され▲4六銀に▽4ニ金と万全の態勢で受けられて得策では有りません
そこで▲3五歩と突き捨ててから▲4六銀と出るナナメ棒銀を狙います
▲3五歩に対しては▽3二飛と回る手が、今まで解説した通常の振り飛車定跡ですが
▽4一金保留型では▽同歩と取る手が利くのです ▽4五歩と突く大捌きから
▲3三飛成の瞬間、▽3ニ飛とぶつける手が生じるのです このまま飛車交換すると
▽4九飛車から▽8四香と打たれる手が厳しいので、一旦▲4四龍で▽4ニ香と
香を使わせてから飛車交換しますが、▲3二歩成に▽4六歩と突き捨ててから
▽3二金とする手が好手で以下「図2」では後手が指せる局面となるのです
実際は此処からまだ難解なので進行例を紹介する事にします

「図2」から「図3」までの手順

▲1一飛成  ▽3一歩    ▲3三歩    ▽4八歩    ▲同 金    ▽6八銀
▲同 玉    ▽8八馬    ▲3二歩成  ▽4六香

「図3」

後手の持駒:銀 桂 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ ・v歩 ・ 龍|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・ と ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 歩 ・ 歩v香 ・ ・ ・|六
| ・ 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・v馬 ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・|八
| ・ 桂 ・ 金 銀 ・ ・v龍 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:角 金 銀 桂 香 歩 
手数=64  ▽4六香(44)  まで

「図2」から▲1一飛成、或いは▲4四飛成と、香を取って攻め駒の補充を図るのが
最も普通の進行ですが、▲4四飛成は▽4三銀と打たれて龍を追われ後続が無くなるので
▲1一飛成としますが▽3一歩と底歩を打ち、以下「図3」まで後手の寄せ合い勝ちの
局面となります どちらも▽4一金保留型が生きる形になっています
また「図1」で後手が▽5四歩の所、▽1ニ香とした場合は、この選択肢も無くなります

「図2」から「図4」までの手順

▲3六桂    ▽8四桂    ▲4四桂    ▽7六桂    ▲7七銀    ▽8八銀
▲7六銀    ▽8九馬    ▲6八玉    ▽7七桂    ▲7八金    ▽6九桂成
▲同 玉    ▽7八馬    ▲同 玉    ▽7七金    ▲6九玉    ▽7九銀成
▲同 玉    ▽5九龍    ▲同 金    ▽7八銀

「図4」

後手の持駒:歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・ 飛 ・ ・v香|一
| ・v玉v銀 ・ ・ ・v金 ・ ・|二
| ・v歩v歩v歩 ・ ・ ・v歩v歩|三
|v歩 ・ ・ ・v歩 桂 ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| 歩 ・ 銀 ・ 歩 歩 ・ ・ ・|六
| ・ 歩v金 歩 ・ ・ ・ ・ 歩|七
| ・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ 玉 ・ 金 ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手の持駒:飛 角二 銀 桂二 香 歩 
手数=76  ▽7八銀打  まで

「図3」で最も有力と思われる手は▲3六桂と打ち▲4四桂と香を取り更に▲3二桂成と金を
取る手や▲6ニ香で▽同金なら▲7一角、▽7一金なら▲5ニ桂成や▲5三角打を狙う筋です
この▲3六桂は「図1」で後手が▽1ニ香でも有効ですし、▽6四歩とした場合でも
▲6三香と打つ手が有り、同じく有力な手段となります しかし▽8四桂が決め手で
以下「図4」までは一気に寄せきった一例です。勿論ここまでに変化は有りますが▽7六桂と
した所では後手の寄せ合い一手勝ちの局面と言えるでしょう

以上、前章の▲4六銀に対してほど完全に封じていると言う訳では無いですが、▲3五歩に
▽同歩と強く取って応じれば、▽4一金保留型が十二分に生きる形となります


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