マイナビ女子オープン本戦1回戦、里見香奈VS里見咲紀の、史上初女流姉妹棋士の対局は
99手で先手の里見香奈が貫禄を見せて勝利、ベスト8に進出しました。
女流棋界には、大庭姉妹、中倉姉妹、里見姉妹、和田姉妹、山口姉妹の5組の姉妹棋士が
存在しますが、すでに両者あるいは片方が引退した大庭姉妹と中倉姉妹の公式戦での姉妹対局が
あったのかどうかは不明ですが、おそらくは今回が史上初の姉妹棋士の公式戦対局となるものと
思われます。
ちなみに、山口姉妹は先日あと1つ勝ち上がれば姉妹対決が見られることでしたが、残念ながら
またの機会となっています。
肉親対決では、高群佐知子・塚田恵梨子の母娘対決が寸前までいったのが2回ありましたが、
実現には至りませんでした。
なお男性棋士では、双子の畠山兄弟の対局は実現しています。余談ながら、この兄弟は、
中学時代、両者とも僕が副担任をしていたクラスの生徒、教え子なので関心が高かった
のですが。
先手里見香奈珍しく居飛車の出だしに、後手里見咲紀は姉の得意技でもあるゴキゲン中飛車に。
先手は2筋での歩の交換。後手は5四に飛車を上げて横歩取りを防ぎます。
先手は角を9七に上げて突入姿勢を見せますが、後手も格上げでこれを守ります。続いて
先手は右銀が前進。後手も飛車を引いて中央から角が前進。先手は一旦上げた銀を下げて
中央を守ります。
後手は角交換を要求しますが先手は拒否。再度の交換要求も歩を貼って拒否。ならばと
5筋の飛車を生かそうと中央攻撃に転じます。歩を突いて角銀交換。取った銀をすぐに
先手飛車当てに貼り付け、かわした後で金上がりでこの銀を取りに行きますが、歩を犠牲に
銀成りで逃げます。
先手は桂馬上がりからの歩打ちで後手の飛車を止めますが、後手は銀交換から上がった
桂馬を目標に攻めます。先手は持ち駒の多さを生かして飛車の出鼻をくじき、有利な体勢から
桂頭の歩を取り去ります。さらに桂馬はねで飛車金両当たり。後手は銀の打ち込みで先手飛車に
当てますが、逃げられ、次に角頭に歩を貼って交換要求。これも受けとめられて、結果、
飛車の逃げ道ができたので飛車を逃がします。
先手里見香奈は後手の飛車には目もくれず、金取りから一気の寄せを目指します。さすがに
差が付きすぎ、後手里見咲紀に有効な手段が見つからず、ここまでとなりました。
【第15期マイナビ女子オープン本戦】女王:西山 朋佳
里見 香奈 ○ ● 里見 咲紀 99手
塚田恵梨花女流初段---------+
+-中澤 -+
中澤 沙耶女流初段---------+ |
+- -+
大島 綾華女流1級---------+ | |
+-渡部 -+ |
渡部 愛 女流三段---------+ |
+- -+
里見 香奈女流四冠---------+ | |
+-里見香-+ | |
里見 咲紀女流初段---------+ | | |
+- -+ |
上田 初美女流四段---------+ | |
+-上田 -+ |
甲斐 智美女流五段---------+ |
+-
千葉 涼子女流四段---------+ |
+-千葉 -+ |
脇田菜々子女流初段---------+ | |
+- -+ |
山根ことみ女流二段---------+ | | |
+-山根 -+ | |
竹部さゆり女流四段---------+ | |
+- -+
香川 愛生女流四段---------+ |
+-香川 -+ |
貞升 南 女流二段---------+ | |
+- -+
中井 広恵女流六段---------+ |
+-中井 -+
伊藤 沙恵女流三段---------+
÷ 丹善人 ÷